ソフトクリーム

バイト先でのひとコマ。

ルルは、甘いものが大好きだ。
人物は気に食わないらしいが、ジェレミアさんのケーキは大好物だ。
そして、ケーキだけでなく、さらに、はまっていたものがある。
それは、生乳100パーセントのソフトクリームだ。
ジェレミアズスイーツショップのソフトクリームは、実は、ひそかなヒットだったりする。
夏の間は、フラッペとあわせての販売だったので、結構大変だったんだけど…。

一年を通して、ソフトクリームを注文するお客さんが多く、ケーキの販売とあわせるとてんてこ舞い。
切れたジェレミアさんは、突然、「ソフトクリームはセルフサービスにする！」と言い出した。

あの人、新しいことをする時には…なぜか僕に意見を求めてくるんだけど…そのサービスはどうかなって
正直思ったんだよね。

だけど、あの人って、こうときめたことはなんとしてもやらないと気がすまない性質で…。
だったらさ…相談とかしなきゃいいと思うんだけどさ。
あれって、結局、ただ「すごい」って言ってもらいたいだけなんだろうな～。

ソフトクリームがセルフサービスになった、と知ったルルは、今日、嬉々としてお店にやってきた。
一回分のお金を払うと…コーンは受け取らずに、持ってきたタッパーにソフトクリームを…。

当然、ジェレミアさんは怒り狂って、「何を考えてるんだ！？」って食ってかかった。
だけど…「別にコーンじゃなきゃいけないなんて書いてない」ってルルが…。

…その通りといえばそうだけど。
ジェレミアさん、呆気に取られて、何もいえなくなってたよ。

結局、タッパーにいっぱいのソフトクリームをしきつめて、ルルはご機嫌で帰っていった。
僕としては…ルルが嬉しそうだからいいんだけど、ジェレミアさんがちょっと気の毒…かな？
う～ん、それよりも…あんなに食べて、大丈夫かなあ？
おなか、壊したりしないかなあ…。

心配しつつ、家に帰ってみると、ルルは食後のデザートに、ワッフルのソフトクリームがけとウィンナコーヒーを
出してくれた。
そのコーヒーに使ったクリームも、ソフトクリームだったりして…。

ルルは本当にソフトクリームが好きなんだなあ…。
ちょっとやけちゃうな。